2020/07/20 14:00

素材と向き合うことというのは私の場合エゾシカの命と向き合うということです.



今年の新作革はタンニン鞣しを施したエゾシカ革に特製のエゾシカオイルを刷毛で塗り込んで
仕上げた特注革です。



エゾシカは厳しい北海道の冬を乗り切るため夏から秋にかけて皮下脂肪を蓄えます。
捕獲して解体・精肉する過程で必要以上についた脂は廃棄されることがほとんど。



それらを細かく刻んで鍋でグツグツと煮込むのです。



溶け切らないスジや肉は何度も漉してサラサラとしたエゾシカ脂100%のオイルが出来上がります。


そうしてできた特製オイルをタンナーの元で革に一枚一枚塗り込んでもらうのです。

元は同じ身から取られた革と脂

合わないわけがありません。

使うほどに染み込ませた脂が動き、独特の経年変化を見せてくれることでしょう。